子供のバイリンガル教育に必要な環境とは?海外での子育ては本当に必要なの? | チルコレ

[記事公開日] 2017/11/13
[最終更新日] 2018/01/21 SatoNatsumi

子供のバイリンガル教育に必要な環境とは?海外での子育ては本当に必要なの?

2008年度、小学56年生を対象に外国語活動として英語教育が開始されました。近年、英語のみならず外国語の早期習得への保護者の関心は大きく高まり、バイリンガル教育は今や一つのトレンドともいえます。果たして、子供をバイリンガルに育てるために必要なことは、海外で教育することなのでしょうか?

  • 目次

いま海外で子育てしている人が増えています

小学校から外国語教育義務化されたことをふまえ、子供の早期外国語教育の必要性の議論が、年々活発になっております。もちろん、現代人として外国語を習得しておくことは必要不可欠といもいえるでしょう。そうした中で、子供をグローバルに育てるため、海外に移住して教育を受けさせる「教育移住」が増えています。平成28年の外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、

海外で就学している小中学生(日本人学校、補習授業校、現地校の合計)が2006年では58000人だったのに対し、2015年には78000人と、約2万人も増えていることがわかります。

「教育移住」とは、幼少期に子供に外国語漬けの生活を送らせることによって、外国語習得を目指すということです。現地校に通い、現地の友人と一緒に遊び、学んでいけば自然に外国語が身についていくと考えるからです。

確かに、現地で学びインプットした言語を現地の友だちとのコミュニケーションによってアウトプットする、これを繰り返すことは、言語習得において理想的な環境ともいえるでしょう。

海外で子供を育てることの苦労とは?

「教育移住」。聞こえはいいですが、実際は簡単なことではありません。子供を海外で育てるためには、衣食住はもちろん、治安郵便事情病気になった時の対応などもきちんと理解しておかなくてはなりません。

また、保護者もその言語を理解できなければならないということになります。でなければ、子供の学校行事に参加することも、子育てで何か問題が起きたときも対応することはできません。さらに海外に移住し、現地校に通わせるためには莫大な費用が掛かります。

そして、海外で子供を育てる上でもっとも苦労することが、日本語力の維持と日本の文化やアイデンティティの教育です。幼少期に海外で育つと、日本人としての誇りがないまま育ってしまう可能性が高いです。かといって現地人ほど多言語が流暢に話せるわけでもありません。中途半端な個性を抱え居場所がないと、悩むことになり兼ねないのです。

子供のバイリンガル教育に必要な環境って?

言語の習得をするために、人間の頭にはそれぞれの言語用のコップがあると考えられています。そのコップの中に学習したネイティブの言語インプットして、コップがいっぱいになるとアウトプットしていきます。こうした工程を繰り返して言語が習得されます。私たちが日本語を習得する時にはこの工程を幼児期に自然に繰り返すことで学習していきます。

しかし、外国語はそうはいきません。これを自然に行うことができる環境を幼児期に子供に与えることができれば、言語の学習に役立つはずです。つまり必要なことは、ネイティブスピーカーの言語情報(発音)を繰り返し与えインプットすること、そしてそれをアウトプットとして話すことができる環境を整えることであるといえます。

バイリンガル教育に必要なのは、このコップを区別して別々に満たすことです。「これはリンゴでアップルよ」などと伝えることはかえって言語習得を混乱させることになります。

日本にいてもバイリンガルに育てられるような環境は作れるの?

日本にいてもバイリンガル教育ができるような環境はできないものなのでしょうか?

例えば、英語に関してですが、イマージョン教育を行っている幼稚園や小学校などはどうでしょうか?近年、日本ではイマージョン教育を行っている学校が増えています。こうした学校は英語教育に力を入れているというわけではなく、英語で保育・教育を行い、いわゆる“英語浸け”の教育をしているのです。つまり、英語で算数や体育などの教科を学習するというわけです。

しかも教師がネイティブスピーカーとなれば、海外で現地校に通っているのと同じ環境をつくることができます。幼稚園や学校では英語でコミュニケーションを取り、家では家族と日本語で話をする。これができれば、2つの言語のコップを正しい言語情報(発音)で別々に満たすことができます。

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まとめ

近年、世界で活躍できる子供を育てるため、早期外国語教育が注目されています。子供をバイリンガルにするためには海外で育てるべき、と誰もが思うことでしょう。

しかし、そうばかりではありません。バイリンガルの子供を育てるために必要な環境をしっかり整えることができれば、国内でもバイリンガルに育てることは可能なのです。

また、バイリンガルの子供に一番必要なことは、母語がしっかり確立していることです。バイリンガルとは二つの言葉を話すということではなく、第二言語を持っているということです。つまり、母語である第一言語、母との愛着関係による言語習得がしっかりしていなければ、第二も第三もできないのですから。

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