結局、勉強中の音楽はいいの?悪いの?徹底解明! | チルコレ

[記事公開日] 2017/11/03
[最終更新日] 2018/02/15 OshitaRisako

結局、勉強中の音楽はいいの?悪いの?徹底解明!

音楽を聴くと集中力がアップして勉強がはかどる。一部では定説となりつつありますが、実際のところはどうなのでしょうか。環境音楽やクラシックじゃないと効果なし?音楽と成績に相関性はあるの?ポップスは邪魔になるから止めさせるべき?そんな、音楽と勉強にまつわる疑問を徹底検証します!

  • 目次

あなたのお子さんは勉強中音楽を聴いていますか?

勉強中に音楽を聞いている子供はどのくらいいるのでしょうか。2014年にベネッセ教育総合研究所が中高生を対象に実施した実態調査によると、

「自宅で勉強する際に携帯音楽プレーヤーやスマホを使って音楽を視聴する」と答えた子供の割合は、

中学生 …… 53.5%
高校生 …… 69.2%

と、実に半数以上の子供が、音楽を聴きながら勉強をしていることが分かります。

勉強をしてくれるだけでもありがたいと思うのが親心ですが、やはり「音楽を聴きながら、本当に勉強に集中できるの?」と気になってしまいますよね。

テレビやスマホでの動画視聴をしながら、チャットをしながら、などの「ながら」勉強が学習能率を下げることは言うまでもないですが、一方で「音楽を聴きながら勉強をする」ことについては、賛否両論があります。

事実、同じベネッセの調査報告によると、携帯音楽プレーヤーやスマートフォンなどで音楽を聴きながら学習している子供の割合は、成績上位層と下位層の間で差異が見られませんでした。同調査で、チャットやSNSサイトを見ながら、メールを書きながら勉強することと成績の間には相関性が見られました。

しかしながら、音楽が脳にポジティブな効果をもたらすことは科学的にも実証され、定説となっています。α派に効果のある音楽を聴くと集中力があがる、といったフレーズは皆さんも聞いたことがありますよね。

そこで今回この記事では、音楽が学習環境に及ぼすポジティブな効果と音楽がポジティブな効果を発揮する条件について徹底検証し、あなたのお子さんが音楽を上手く味方につける方法について考えたいと思います。

音楽が与えてくれるポジティブな効果

1. α派により集中力を高める

私たちが集中している時やリラックスしている時、脳内にはα波という脳波が出ています。このことから、α波が出ている時は、出ていない時に比べて、勉強に集中できると言われます。

そして、音楽と脳波に関する数多くの研究から、α波をより効果的に発生させる音楽があることが分かっています。

一般的には、自然音などの環境音楽、ジャズやクラシックなどの静かな音楽が良いとされています。動画サイトなどで配信されている、α波に効果のある音楽を利用してみるのも良いでしょう。また、90年代になされた研究報告では、特に60BPMを刻むクラシックやバロック音楽は、記憶力の活性に効果があるとされています。

2. 音楽のマスキング効果

勉強する場所が図書館であれ自宅であれ、集中力を途切れさせてしまう要素のひとつに、雑音があります。周囲の話し声、車の騒音、神経質な子にとっては隣人の呼吸音でさえ耳障りとなって、勉強に集中するのを妨げてしまいます。

そんな時、ヘッドホンやイヤホンを使って音楽を聴くことで、こうした雑音を遮断し、集中しやすい環境を作り出すことが出来ます。

これは音楽の「マスキング効果」と呼ばれています。

3. 音楽が認知能力を高める

「カクテルパーティー効果」をご存知でしょうか。パーティーのような騒音に囲まれた環境でも、目の前にいる人と普通に会話ができるという能力です。

この効果が、学習する際にも応用できる、とスタンフォード大学助教授のVinod氏は主張しています。同大学で2007年に行われた研究では、人が音楽のメロディに集中するのに従って、同時に周囲の環境にも集中力が高まり、それが学習環境であれば、すなわち学習能力が高まる、と結論づけています。同氏は研究結果を基に、学習環境に音楽を積極的に取り入れることを勧めています。

このように、音楽には勉強に役立つ様々な効果があることが分かります。これらの効果をうまく利用できれば、音楽は子供たちの学習の味方になるでしょう。

音楽がポジティブな効果を発揮するには

前項では、音楽には学習に効果的な作用があることが分かりました。

しかし、どんな音楽でも良いのでしょうか。また、誰にでも同じ効果が得られるのでしょうか。

音楽が効果を発揮する条件について、見ていきたいと思います。

1. 音楽のジャンル


音楽と脳波に関する研究によると、以下のような音楽は集中力の妨げになるとされています。

  • 歌詞のある音楽
  • テンポの速すぎる音楽
  • ベース音が主張している音楽(ロックなど)
  • ボリュームが大きすぎる音楽
  • 最新の曲

歌詞のある音楽は、脳内の言語領域を使用することから、特に読み書きの作業を妨げることが分かっています。さらに、テンポが速い音楽やベース音がうるさい音楽は、脳を興奮させ、集中力を奪ってしまいます。

また最新の曲は、脳にとって目新しい情報として、そちらへ集中しすぎてしまうので、勉強のバックミュージックとしてはふさわしく無いとも言われます。

2. 音楽との相性


上記では、勉強中に聴くのにふさわしい音楽について述べましたが、実はこれは、人それぞれであることも分かっています。

2013年にフィンランドとイタリアの共同研究チームによって行われた実験では、ミュージシャンと、そうでは無い人とでは、仕事をする際に効率がよくなる音楽のジャンルが、正反対である、という結果がでています。このことから、音楽と集中力の関係は、個人の興味の対象によっても大きく左右されることが分かります。

あなたのお子さんが集中できる音楽は、他の子とは違うかもしれません。

3. 思考タイプとの相性


ここまで、どのような音楽がどのように脳に働くかを見てきました。しかし、人によっては音楽がある環境そのものが、集中力の妨げとなってしまう可能性もあります。

人には2種類の思考タイプがあると言われています。それは、内向的思考外向的思考です。

内向的思考の人は、一人でいることを好み、周囲からの刺激をストレスに感じる傾向があります。

外向的思考の人は、たくさんの人といることや、人前で話をすることを楽しいと感じる傾向があります。

外向的思考か、内向的思考かと完全に分かれているのではなく、誰しもふたつの傾向を併せ持っていることが普通です。そして、多くの人はどちらかに偏っています。

そして、内向的思考の人は、音楽を聴きながらの作業が苦手な傾向にあるそうです。勉強に集中するためにいろんな音楽を試してみたけれど、どうも合わない、と感じているならば、そもそもその子には音楽は必要ないのかも知れません。内向的思考タイプの子に必要なのは、静かで落ち着いた環境です。

一方で、外向的思考タイプの子は考えていることを声に出すと、勉強がはかどるそうですよ。

音楽のあなどれない効果

これまで見てきたように、音楽には勉強をはかどらせる効果があること、その効果を得るには条件があることが分かりました。ここで、もうひとつの音楽の効果について見てみたいと思います。音楽がもたらす重要な効果として、モチベーションアップがあります。

長い長い受験勉強をしていく上で、モチベーションを高く保つことは、お子さんにとって重要な課題です。保護者であるみなさんも、如何に我が子にやる気になってもらうか、日々画策していることでしょう。

集中力がとぎれてしまった。なんとなくやる気がでない。そんな時にお気に入りの一曲を聴くだけで、よし、もう一息頑張ろう!とやる気が出てきた経験は、誰しもあると思います。

勉強が嫌い。楽しくないからやりたくない。そんなお子さんにとっては、好きな音楽は、机に向かうための助けになるでしょう。音楽は、気分転換、モチベーションアップに絶大な効果を発揮してくれます。

やる気を出すための音楽は、本人が好きなものであれば何でも良いです。しかしこの場合ポイントとなるのは、ひとたびやる気が出て勉強がはかどり始めたら、音楽をストップする、ということです。

脳神経科学者のDaniel Levitin氏は、その著書『This is your brain on music 』の中で、仕事を始める前に10~15分間ほど音楽を聴くことで、脳内に神経伝達物質であるドーパミンが放出され、脳がリラックスした状態になり、仕事がよりはかどるようになる、と主張しています。同氏はまた、音楽が脳にとって刺激的なものである以上、それは集中力の妨げとなりかねない上に、エネルギッシュな音楽は脳を疲れさせることにも言及しています。

あなたのお子さんが勉強しながら音楽を聴いている時に、もし歌詞を口ずさんだりリズムを取っているような場合、その子は今リラックスモードでストレス解消しているのかも知れません。

頭ごなしに、集中出来ていないから音楽を聴くのを止めなさい、などと言わないように気をつけたいものです。同時に、長時間そのような状態が続いていないかにも注意したいですね。

まとめ


これまで見てきたことから、音楽を上手に利用するためのポイントをまとめると、

  • 音楽で集中力を高めるためには自然音、環境音楽、ジャズ、クラシックなどの静かな音楽を、音量は控えめに聴くこと。しかし、本人が集中できると感じるならば、ジャンルは問わない。
  • 音楽で気分転換や、やる気を出すためには好きな音楽を15分程度で聴くこと。
  • 音楽の効果には個人差があるので、お子さん自身が、何のために、どんな音楽を聴くのか(あるいは聴かないのか)を意識して決めることが大切。

音楽の底知れない効果、上手く利用して勉強の効率アップにつなげたいですね。

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